酵母はパン生地の中で何をしているのか
前回のお話はこちら
パンを作るのに必要な、酵母。
その名前はイーストだったり、天然酵母だったりしますが、なんにしろ、パンらしさを作っているのはこの「酵母」です。
※パンの定義をどうするかによって酵母は不要な場合もありますが、まぁここでは発酵させたものをパンとします。
この酵母(イースト)ですが、何かというと、
生物です。
生きてます。生きてるんですよ。
で、よくパンの本とかに「酵母が発酵すると二酸化炭素が出てきて、それで膨らみます」的な話が出ますが、もう少し詳しくいうと
酵母は主にこんな活動をしています。
※ほんとはこんな単純じゃないけど、ここでは単純に考えます。
C6H12O6 → 2 C2H5OH + 2 CO2
・・・うわいきなり化学式ーー。でも、今しばらくお付き合いください。
何をしてるかというと、栄養をアルコールと二酸化炭素に分解しています。人間も食事をとってエネルギーを得ていますが、酵母も同じようなことをしています。人間はアルコールを作れないけど。
ちなみに、酸素のない状態でこんな感じの活動(代謝)をしています。
酸素がある環境だと
C6H12O6 + 6 O2→ 6 H2O + 6 CO2
酸素を使って、栄養を水と二酸化炭素に変えてエネルギーを得ます。
こっちのほうが、エネルギーを得やすいです。同じ栄養から約10倍のエネルギーを得られます。つまり、生育も早い。
※工業的にイーストを培養するとき、培養液中に酸素を送り込みますが、これが理由ですねー。
パン生地の中は、最初酸素も含まれていると考えられるけど、酸素がどんどんなくなって酸素のない状態になり、アルコールと二酸化炭素をつくります。
※酸素があるときにもアルコールを作ったりするらしいので、単純に切り替わるというわけではなさそうです。
まとめ:酵母はアルコールと二酸化炭素を出します。人間はそれを利用します。
この回、大事ですよ。テストに出ます。ここしっかり理解しとくと、発酵楽しいです!
次回:パンに使う小麦粉・・・薄力粉じゃだめなの?